女性の健康週間 ~これから気をつけること~

 毎年、3月1日~8日は「女性の健康週間」です。国は女性が自らの健康に目を向け、自らが健康づくりを実践できるよう支援しています。各自治体でもさまざまなイベントが行われます。女性の体調の揺らぎが注目されるのは嬉しいことですが、多くの女性は、他者には「話づらい」「話しても理解してもらえない」「自分が我慢すればよい」と思っているようです。「女性の健康週間」を取り上げるのはkitani Letterでは2回目です。今回は“女性の健康~これから気をつけること~”と題して総集編をお届けします。この情報が、女性だけでなく、家族や社会の理解に繋がれば幸いです。

【母娘三代 体の悩み】
女性は、思春期になると初潮を迎え、PMS(月経前症候群)、月経痛、月経不順などに悩まされます。性成熟期は、結婚・妊娠・出産と体に負荷がかかる時期、そして更年期には、女性ホルモンが一気に減少してさまざまな症状が表れます。更年期が徐々に落ち着いてきた頃には、体力や気力が落ち、フレイル状態になるのが悲しいシナリオです。人生100年時代、自分の足で歩いて、美味しいものを食べて、生涯を通して明るく健康に生き抜いてまいりましょう!

【思春期の悩み】
初潮は10歳から14歳頃に始まります。これが女性特有の体調の揺らぎの始まりです。昔は月経の回数も50回程度と考えられていましたが、現代は出産回数が少ないこともあり約10倍もの月経を経験すると言われています。月経回数が増えれば、「片頭痛」「子宮内膜症」などの病気も増加します。女性ホルモンは、子宮や乳房などの女性臓器だけでなく、骨、筋肉、関節、皮膚、脳、心臓、自律神経などあらゆるところで働く有能なホルモンです。しかし、ちょっとしたことでホルモンバランスが乱れると、不調を感じるようになります。成長期の大事な時期の無理なダイエットもバランスを乱す要因です。成長期はよく食べて、よく寝て、運動するが一番の薬!あとは“笑う”こと、口角をあげて笑う真似をするだけでも、“幸せホルモン”セロトニンが放出されます。

🔍ジツボンのゆるゆる日記→「漢方でほっとひといき」で検索
主なタイトル一覧(抜粋)
イライラはプレ更年期更年期のイライラを幸せホルモンで解消
若い女性に更年期に似た症状増えてます!更年期前から気をつけよう!骨の話
若い女性に更年期に似た症状増えてます!今からはじめようお口の体操
もの忘れを気にされている方!もしかして更年期?健康寿命をのばそう!フレイル予防について

女性のための情報が盛りだくさんです!ぜひご覧ください。

【早期にフレイル対策を】
フレイルとは「加齢により心身が老い衰えた状態」のことです。50歳はフレイルなんてまだ関係ないと考えていませんか。実は、フレイル対策は早いほど効果があるのです。だからといって60歳を過ぎた方でも、十分間に合います!日々の努力でいくつになっても筋肉はつきます。筋肉をつけるためには、筋肉のもとになるたんぱく質を摂ることが大切です。いくら筋トレしても、材料がなければ身につきません。そして、フレイルは体の衰えだけでなく、精神の衰えもあります。気持ちを若く保つために、社会と積極的に関わるようにしましょう。

フレイルを予防するために
1.持病のコントロール持病と上手に付き合いエネルギーを温存
2.運動療法自分にあった適切な運動を継続して行う
3.栄養療法バランスの良い(特に良質なタンパク質)食事
4.感染症等の予防肺炎やインフルエンザ等の感染症予防の徹底

 健康21(第三次)では、はじめて「女性の健康」が明記され、新規に、健康的で持続可能な食環境づくり、睡眠時間の増加、骨粗鬆症検査受診率の向上などの目標が立てられました。特に、骨粗鬆症予防は、若い時から意識して取り組む必要があります。骨の量のピークは20歳前後、女性の場合は女性ホルモンが減少する更年期世代で骨を作る力が衰えます。成長期こそ運動・睡眠・栄養の三本柱で骨を育てて、蓄えておきましょう!

参考:健康日本21(第三次)について 厚生労働省、女性の健康推進室 ヘルスケアラボ、健康長寿ネット 財団法人長寿科学振興財団

喜谷実母散は、1713年(正徳3年)からほぼ同じ処方で婦人薬を販売し、今年で312年になります。ちょうど今の大河ドラマが江戸時代を背景にしていますが、あの時代から存在していたと思うとタイムスリップしたみたいで、感慨もひとしおです。日本産婦人科学会で考えた女性の健康週間のシンボルマークは、Wのマークの上に点が3つ、母娘3代を表しているそうです。女性の悩みは今も昔も変わりませんが、こんなに取り上げられるのは、大きな一歩ですね。

Posted by 253