江戸の夏の暮らしかた

2022年8月1日

江戸時代、暑い夏を人々はどのように乗り切ったのでしょうか。

家では、窓を開け放ち、葦簀や暖簾で日よけをしました。行水をして汗を流し、昼過ぎには打ち水をして、蚊遣火をたき、寝るときには蚊帳の中に入ってうちわで扇いで寝たそうです。

冷や水、ところてん、甘酒を売る行商人が街を行きかいました。冷や水は、井戸水に砂糖と白玉を入れた飲み物。ところてんは甘い味付けと醤油の味付けが選べたそうです。

甘酒は夏バテ予防に人気がありました。籠に窯をのせて熱いものを売っていたそうです。熱い甘酒を飲んで風に吹かれていれば、汗が引いたときに涼しさが味わえたことでしょう。

是斎屋(ぜさいや)という薬売りが「和中散」という暑気払いの薬を売り歩いていたそうです。そのほか、びわの葉と甘草、肉桂などの生薬を煎じた「枇杷葉湯」を売る行商もあり、のどの渇きを潤し暑気あたりを防ぐとして人気があったそうです。甘酒同様に熱いものが売られていました。

そのほか、金魚、風鈴、鈴虫、マツムシを売る行商人もいました。
目や耳から涼をとりいれていたのですね。

家の中では暑くていられないときは、少しでも風が涼やかな場所、川辺へ繰り出します。浅草川(今の墨田川)の川開きが行われる6月下旬からは涼み船が出て、3か月の間は毎夜花火が上がりました。川岸に茶屋や寄席などがでて夜遅くまでにぎわっていたそうです。

浴衣は本来、湯上りに着る部屋着で白地が基本でしたが、花火を見に夕方から出かけるときに着ていくようになると、鮮やかな柄のものが流行るようになったそうです。

五感で涼を味わう工夫や、季節を楽しむ心は、私たちも参考にできることが多いですね。

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