カカオポリフェノールのお話
食べ方を間違えなければチョコレートは健康にいい食べ物になるのよ。
ははぁ、さてはご褒美チョコレートをわんさか買ってこようと考えているね?
チョコレートの原料のカカオに含まれるカカオポリフェノールには、さまざまな病気の発症を遅らせる働きがあることが示唆されているの[1]。
本当?
植物にはファイトケミカルといって、強い紫外線や害虫から自分自身を守るために作っている物質があるの。色素や香り、苦み、渋みなどの成分で、強い抗酸化力や抗菌力を持っているのよ。カカオポリフェノールもそのうちのひとつ。
ファイトケミカル?戦うケミカルっていう意味?
英語でphyto(ファイト)は植物、chemical(ケミカル)は化学物質。ファイトケミカルは「植物の作る化学物質」という意味よ。
フーン。
トマトの赤い色はリコピン、ニンジンの赤い色はカロテン、ブルーベリーやナスの紫色はアントシアニンなどいろいろな種類があって、その数は1万種類以上とも言われているわ。
チョコレートの濃い茶色はファイトケミカル?
そう、そのカカオポリフェノールには善玉コレステロールを増やしたり、血管の機能が改善されて血圧が下がったりする効果が確認されているのよ。
お薬みたいだね。
そうなの。カカオ豆の学名はギリシャ語で「神々の食べ物」という意味だそうよ。太古の昔から体に滋養を与える貴重な薬として食べられていたものなのね。
チョコレートは美味しいスイーツ、だけど食べすぎたら太ってしまうっていうイメージしかないなあ。
カカオポリフェノールがたくさん入っている高カカオチョコレートなら糖質量も少なくて、糖尿病や血管の老化につながってしまう血糖値の急上昇がおこりにくいのよ。
それならチョコレートをたくさん食べれば健康にいいっていう変な話になっちゃうじゃないか。
そこが大切なところなんだけど、カカオポリフェノールがいくら体にいいって言っても、チョコレートはどうしても高カロリーになっちゃうでしょ。だから、高カカオチョコレートをほんの少しずつ、貴重なお薬をいただくという感じで食べるといいみたい。カカオの含有率が70%以上のものがお勧めよ。
よかったね、ママ。ハッピーバレンタイン!!
賢く楽しみましょうね。
[1] カカオポリフェノールの包括的研究 夏目みどり先生
化学と生物Vol.56,No7,2018 日本農芸化学会