更年期世代から注意しよう!脂質異常症
そろそろ健康診断の結果が出る頃ですね。去年と今年で変わりないですか?今回のテーマは “脂質異常症” です。
健診の結果で急にコレステロール値が上がっていたので心配で!
もしかすると女性ホルモンのエストゲンの影響かも知れません。エストロゲンは血液中のLDL(悪玉)コレステロールを低下させる働きと、血管をしなやかにする働きがあります。閉経に伴いエストロゲンの分泌が低下すると、LDLコレステロール値は高くなりやすいのです。更年期頃に起こります。
そうなのですね。少し安心しました。
これからどうすればよいのでしょう。
そうですね。更年期の対応法でもお話しましたが、「バランスの良い食事」「適度な運動」「ストレス解消」はずっと続けてください。特に食事療法は大切です。あとは標準体重を維持して油の多い食事やデザートを控えること!高脂肪食から低脂肪食へ意識して切り替えてみてください。
コレステロールってそもそもどのような役割があるのですか?
先ずは脂質について説明していきましょう。主な脂質はコレステロールと中性脂肪です。
コレステロールは細胞膜やホルモン、胆汁酸の材料になります。コレステロールにはLDL(悪玉)コレステロールとHDL(善玉)コレステロールがありそれぞれに役割があります。
LDL(悪玉)はコレステロールを体内に運搬しますが、増えすぎると血管内にプラークという壁をつくります。
HDL(善玉)は使いきれなかったコレステロールを回収する働きがあり善玉と呼ばれています。
中性脂肪(トリグリセライド)は体内にエネルギーを貯蔵します。中性脂肪が増えすぎると、悪玉を増やしたり、善玉を減らしたりします。中性脂肪が過剰に増えると体脂肪となります。代表的な病気は脂肪肝です。
それぞれが上手にバランスをとって正常を保っています。女性の場合、それをサポートしているのがエストロゲンです。
悪玉コレステロールの数値が悪いとなぜ問題なのですか。
コレステロールが増えたり、善玉コレステロールが減ったり、中性脂肪が増えることを脂質異常症と言います。注意しなければならないのは、これらが、動脈硬化の原因につながるからです。動脈硬化とは動脈の血管が硬くなり弾力性が失われた状態です。放っておくと心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高くなりとても危険です。数値が高い場合は、医師にご相談ください。
それではどのように気をつければよいですか。
- 適正な体重をいじする
- 食事のバランスを整え高脂肪食を避ける
- 日常の運動を習慣づける
- 禁煙 アルコールは適量で
私の標準体重ってわかりますか?身長は160cm 体重は61Kgです。
はい。わかります。標準体重の計算は
身長(m)×身長(m)×22
1.6m×1.6m×22=56.3Kg
ちょっと減量かなというふうにコントロールします。
食事で特に気をつけることがあれば教えてください。
揚げ物やファストフードなどの高脂肪食は控えめにして、低脂肪食に切り替えてください。 食品表示の脂質も確認しましょう。
- 低脂質な蛋白質 魚・大豆>肉(ひれ)>ひき肉
- 野菜で食物繊維を摂る
- 蒸す>煮る>焼く>揚げる 調理法でも一工夫
- ラード・バターは控えめにする
- 適正なエネルギー量を維持(食べ過ぎない)
- 飽和脂肪酸(脂肪分の多い肉や乳製品など)を抑え、不飽和脂肪酸(青味魚など)を多く摂る
- 油の質(植物油など)と量に気をつける
- 食物繊維(野菜、きのこなど)を意識して摂る
- 糖質を摂り過ぎない
- バランスの良い食事を心がける
高LDLコレステロール血症 ※境界域120~139㎎/dL | 140mg/dL以上 |
低HDLコレステロール血症 | 40mg/dL未満 |
高トリグリセライド血症 空腹時採血 | 150mg/dL以上 |
non-LDLコレステロール血症 ※境界域150~169㎎/dL | 170mg/dL以上 |