更年期世代に悩ましい不眠症
閉経頃からなんだか睡眠に関する満足度が下がっていると感じている方、眠りについて考えてみましょう。令和3年の総務省生活基本調査では、我が国に住んでいる10歳以上の平均睡眠時間は7時間54分で5年前の調査と比較すると14分増加しています。これは、新型コロナウイルス感染症の影響でテレワークが増加したことも一因といえます。しかしながら、年齢を重ねるごとに睡眠時間は減っていき、特に閉経前後の女性は不眠におちいる傾向にあります。これはエストロゲンの低下により、ほてりや動悸などでうまく寝付けないことや、不安や抑うつの症状などから不眠になると言われています。
それでは、不眠のタイプについて調べていきましょう。主に4つに分類されますのでご自身のタイプを確認してみてください。不眠のタイプは重なり合っている場合もあります。
<入眠障害>寝つきまでに時間がかかる!寝つきが悪い!
<中途覚醒>眠りが浅くて途中で何度も目が覚める!
<早朝覚醒>早朝に目が覚めて二度寝ができない!
<熟眠障害>睡眠時間は十分でもよく寝た感じがしない!
50歳頃の方は卵巣機能の低下により女性ホルモンの分泌量の低下が顕著にみられます。
女性ホルモンの低下は、自律神経の乱れや運動血管神経症状(ホットフラッシュ、発汗など)等で体調の変化がみられます。不眠症もそのひとつです。この世代は仕事の責任によるプレッシャー、子育ての悩み、介護などの家庭環境に変化が起こりやすい時期でもあります。そこに体力の衰えが上乗せされて眠れない、寝てもすっきりしないなどの症状が起きてきます。
- 就寝・起床時間を一定にする:週末の夜更かし、休日の朝寝坊・昼寝は注意
- 睡眠時間にこだわらない:個人差があり
- 太陽の光を浴びる:太陽の光は体内時計を調整
- 適度の運動をする:ほどよい肉体的疲労で心地よい眠り
- 自分流のストレス解消法を:音楽・読書・スポーツ・旅行など上手に気分転換
- 寝る前にリラックスタイムを:ぬるめのお風呂や好きな読書、音楽でリラックスして副交感神経を優位に
- 寝酒はダメ:飲酒後は深い眠りが減り早朝覚醒が増える
- 快適な寝室作りを:ベッド・布団・枕・照明など自分にあったものを選択
薬は適切に使用すれば決して過度に心配することはありません。専門医や薬剤師に相談してみてはいかがでしょう。少し時間はかかりますが、漢方薬や生薬製剤で体質改善も方法のひとつです。