薬用植物の世界へようこそ
植物園をのぞいてみませんか?

 生薬は、植物(全草、葉、根、樹皮や種子など)、 動物、鉱物などの天然物を乾燥などの簡単な加工をして薬にしています。先日、町田市にある昭和薬科大学薬用植物園を散策しました。薬用植物園は土曜日に一般市民の方に開放していて、定期的に薬草教室も行っています。今回のテーマは「ウズペキスタンのマオウ」。薬草に興味がある人はそんなに多くないだろうと思っていましたが、とんでもない!教室は受講者でいっぱいです。90分の講義と薬用植物園の見学で、植物を前にとても貴重な話をたくさん聞くことができました。受講されている方は、皆さん熱心にメモをとり、植物を写真に収めておられました。久しぶりの講義も懐かしかったですが、諸先輩方の勤勉さに圧倒された一日でした。それでは一緒に薬用植物を探しに行きましょう。

各節に茎が変化した鈎が2個ついているもの、1個ついているものが交互にある面白い植物です。この鈎のところを生薬として使用するのですが、鉤と鉤の間の茎の部分にも鉤と同様の有効成分が含まれていることが確認できたので今後、茎の部分も有効利用できたらと、薬用植物の大家にご説明いただきました。釣藤鈎が含まれている漢方薬には抑肝散があります。認知症の周辺症状であるイライラや不穏などの神経興奮を抑える効果があり、よく使用されています。                        
※漢方薬・生薬製剤は、複数の生薬成分が補いあって効果を発揮するもの

別名キツネノテブクロと呼ばれるジギタリスが、ピンク色の花を咲かせていました。その成分はジギトキシン、強心薬です。鑑賞用に植えることはありますが、有毒なので絶対に口に入れてはいけません。
ジギタリスより控えめな花をつけるケジギタリスもありました。この成分はジゴキシンで同じ強心薬です。いずれも合成されているので生薬を使うことはありませんが、これも有毒植物です。お気をつけください。

珍しい植物をたくさん見せていただきました。今回ご紹介するのはバニラとシナモンです。とても身近な食材ですが、植物のことはあまり知りませんでした。案内役は生薬の女神のような優しい先生でした。

よく食べているアイスクリームやお菓子の香料に使われているバニラです。花や葉には香りは全くなく、果実・(さや)を発酵させると甘い香りを放つそうです。受粉が難しくなかなか実を結ぶことはありません。バニラの近くでは甘い香りが匂っていました。

シナモンは セイロンニッケイの樹皮をパウダーにして料理やお菓子に使います。アップルパイを思い出しませんか。セイロンニッケイのシナモンは、味も香りをよく一級品です。漢方薬の桂皮はトンキンニッケイで、香辛料としては、味や香りがやや劣るようです。

参考:昭和薬科大学薬用植物園HP 公益社団法人東京生薬協会
昭和薬科大学薬用植物園 URL:https://www.shoyaku.ac.jp/garden/ 
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