冬の便秘~寒い冬こそ腸内環境を整える~
寒くなってからなんだか便秘ぎみと感じている方は、腸を労わってあげましょう。腸内環境を整えると、便秘改善だけでなく、免疫力が上がり、インフルエンザや風邪などの感染症にかかりにくくなります。今回は便秘について調べてみました。
【慢性便秘症とは?】
慢性便秘症は、「排便回数減少型」と「排便困難型」の二つに分類されます。「排便回数減少型」は、本来排泄すべき便が大腸内に滞ることにより、うさぎの糞の様なコロコロとした便(兎糞)になったり、便が硬くなったり、排便回数が減少したりする状態です。「排便困難型」は、直腸まで便はきているのに、便を快適に排出することができない状態です。排出されても残便感が残ることがあります。一般的に自発的に排便するのが週に3回未満、兎糞状便・硬便がある、いきまないと排出できない、残便感があるなどの症状があれば、慢性便秘症の疑いがあります。
【なぜ冬に便秘?】
① 寒い季節は体が冷えます。お腹が冷えると、腸の働きが鈍くなってきます。そして、冬は室内外の温度差などの影響で、自律神経のバランスが乱れがちです。ますます腸の働きは悪くなり、便秘に繋がります。冷えは大敵!夏の冷房でも起こります。
② 冬は水分不足になりがちです。夏と比較すると、あまり喉も渇かず水分摂取量が減る傾向にあります。健康な便の70~80%は水分なので、水分不足は便が硬くなり便秘に繋がります。
③ 寒い冬は外にでるのが億劫になり、ついつい暖かい家の中でテレビを見る機会が増えてしまいます。運動不足になると、腸の働きが悪くなり便秘に繋がります。
また、年末・年始の長期休みで生活リズムが乱れると、排便リズムまでくずしてしまいます。冬の便秘の理由!ご理解いただけましたでしょうか。
【便の状態】
便の状態を表す指標を「ブリストル便形状スケール」と言います。左記の表で、ご自身の便の状態を確認してみましょう。もちろん食べたものや腸内環境で便の状態は変化します。理想的な便は、表面がなめらかで柔らかくソーセジ状、あるいは蛇のようなとぐろを巻く便です。先ずは③④⑤を目指しましょう。あまり神経質にならず目安にしてください。
便秘解消は便のチェックから!
頑固な便秘、便の色や形状に異常がある場合は早めに医療機関を受診してください。まれに便秘以外の病気が潜んでいることがあります!
【便秘を解消する方法】
便秘を解消するために、食事・運動・生活リズムを一度見直してみましょう。ひとつの方法を集中して行うのではなく、規則正しい生活とバランスの取れた食事を継続することで自然と改善します。我慢せず困ったら薬の力も借りてください。
食事:朝食を摂る・規則正しい食事・水分を摂る
腸内環境を整える(善玉菌を増やす)
運動:無理のない運動やウォーキング
お腹のマッサージ
生活リズム:規則正しい生活・睡眠不足解消
ストレス解消:自律神経のバランスを整える
日々楽しい時間を作る
お腹をのの字(時計周り)に何度かマッサージしてください。出来る方は軽く腹筋したり、くるっとお腹を回したりするのも効果的です。
便の状態、色、匂いなどを観察してより良い腸内環境を作りましょう
便のうんちくです!食べたものは口から入って胃で分解され、小腸で必要なものが吸収され、その残りカスが大腸に送られます。大腸はうんちの製造工場です。水分やミネラルなどを吸収し固形の便を作り、肛門近くにたくわえます。食べたものがあらためてカスとなり外に出るまでの旅は、消化管の長さで例えると8m~9m程です。人間のからだは個人差があるので、長さや形にも違いがあります。約24時間~48時間の小旅行ですが、もっとゆっくり旅を続ける場合もあります。気持ちよく排便するためには、「良い便を作る」「便を育てる」「便を出す力」をつけることが大切!良い便を作るためには食物繊維を多く含んだ食事、便を出す力は適度な運動です。便を育てるためには、腸内細菌のバランス(善玉菌2悪玉菌1日和見菌7)を整えることです。そして腸内の長旅は禁物のようですよ。