コツコツ始めよう骨の健康づくり
更年期以降の女性で増えてくる疾患のひとつに骨粗鬆症があります。
骨粗鬆症とは、骨密度の低下や骨質の悪化で骨の強度が低下して、骨折しやすい状態になったことです。骨量は20代で最大になり、その後更年期を境にじわじわと減少してきます。女性ホルモンの減少により骨密度を保つ働きが弱まることが大きな要因ですが、加齢、その他の疾病や服薬、生活習慣の積み重ねからも影響を受けます。生活習慣に関わるリスク因子は次のようなものです。
□栄養バランスの悪い食事
□過度なダイエット
□運動不足
□日光に当たらない生活
□加工食品やインスタント食品をよく食べる
□喫煙、過度の飲酒、多量のコーヒー
今から改善できるポイントを押さえて、骨粗鬆症のリスクを取り除いていきましょう。
まずは食事だよ!
カルシウムは骨の70%を構成する大事な栄養素です。カルシウムをつなぎ合わせるコラーゲンの材料となるたんぱく質、カルシウムの吸収を高めるビタミンD、骨を作る働きを促すビタミンKなどさまざまな栄養素をバランスよく摂ることで骨の強さを維持します。
運動!
骨の強度を保つには運動も必要です。運動で骨に負荷をかけることにより骨を作る細胞が活性化されカルシウムが骨に沈着しやすくなります。また運動により筋力も鍛えられて転倒や骨折の予防にもなります。誰にでもお勧めできる運動は歩くこと。血液循環もよくなり骨に栄養が行きとどいて丈夫な骨を作ってくれます。
外に出られない日は踵落とし運動もお勧めです。椅子の背につかまって両足の踵を上げて一気にストンと落とす運動です。1セット20回程度を1日2回朝晩行うと効果的です。
日光浴~♡
ビタミンDは食事からの摂取のほか、紫外線を含む日光にあたることで体内(皮膚)でも合成されます。1日15分程度、両手のひらくらいの面積を日光に当てればOK。紫外線があまり強くない朝夕の時間帯に、ウォーキングや洗濯物干しのついでに日光に当たるようにしましょう。日差しの強い季節は日陰にいるだけでも効果があります。
加工食品の添加物にはカルシウムの吸収を妨げるものがあります。過剰なカフェインやアルコールも骨を作る働きを妨げてしまうため注意を。煙草も骨量を減少させるリスクがあるので禁煙することが望ましいです。
更年期前の年齢であっても「私にはまだ関係ないわ」と言っていられません。20代までに骨量をしっかり増やしておくこと、そしてそれ以降は減ってしまうのを防いでいくことが大切です。
また、どの年代であっても遅すぎることはありません。骨の健康を守ることは、年齢を重ねても自在に動ける体を維持することにつながります。骨量の減少を最小限に留めるため、生活習慣を見直してみましょう。