女性に多い頭痛のお話

 たびたび起こる頭痛に悩まされている「頭痛持ち」の方の頭痛は、慢性頭痛に分類されます。慢性頭痛なかで女性に多い頭痛は片頭痛緊張型頭痛です。

 それぞれの頭痛の特徴日常生活で気を付けるポイントすぐに受診をしたほうが良い危険な頭痛についてお伝えします。

わあー、また頭痛だ!
誰か助けて!

片頭痛

 頭部の片側にズキンズキンと脈打つような痛みが起こります。日常の動作で症状が悪化する、吐き気を伴い光や音に過敏になる、などの特徴があります。チカチカとしたまぶしい光を感じるなどの前触れが現れることもあります。

 女性は男性の4倍くらい多く発症し、月経周期と関連して月経数日前から月経中にかけて起こることが多いです。

 発症の詳しいメカニズムはまだ確定していませんが、片頭痛を誘発増悪する因子としてストレス、月経周期、天候の変化、空腹、睡眠の過不足、においや光などがあることが分かっています。

 片頭痛の発作が起こったときは、静かな暗い場所で休み、入浴は控えるようにします。

片頭痛がつらいときは
静かな部屋で休んでおこう
😣

緊張型頭痛

 頭全体が締めつけられるような重苦しい痛みが現れます。動作による増悪がなく吐き気もありません。

 こちらも男性よりも女性のほうが有病率が高い頭痛です。

 様々な因子が複雑に関与していると考えられていますが、その中の一つに首や肩の筋肉の緊張が考えられています。

 緊張型頭痛に対しては、同じ姿勢で作業を続けることを避けて、肩こりを予防する運動や、入浴などで体を温めて、心身のストレスをためないようにすると効果があると考えられます。

片頭痛、緊張型頭痛はどのように治療する?

 日常生活に支障が出るような強い頭痛や、頭痛が現れる頻度や症状の重さがひどくなっていく場合はすみやかに受診をして医師に相談してください。

 一方、痛みがあっても日常生活に支障が出ない軽症の頭痛であり、発症の頻度が少ない場合は市販の痛み止めで対処することができます。

 一般的な痛み止めを服用するときは、痛みが強くなってから服用しても効かない場合がありますので痛くなり始めたら早めに服用すると効果的です。

漢方薬は頭痛に効果がある?

 頭痛のほかにも精神的な不調、倦怠感、めまい、むくみ、肩こりがある、などの不定愁訴がある場合は漢方薬が効果を現す場合があります。

 喜谷実母散は更年期障害、血の道症(女性ホルモンの変動に伴って現れる諸症状)、月経不順、冷え症に随伴する頭痛に効果が認められている生薬製剤です。基本的に1~2カ月をかけて経過を見ながら効果を確認していく方法です。

日常生活で気を付けることは?

 お一人お一人で頭痛の引き金になる因子は異なりますので、頭痛ダイアリーをつけてご自身のパターンを知ることから始めてみましょう。避けることができる因子が見つかったらストレスを溜めない程度に取り除いていきましょう

 例えば、香水などのにおいを避ける、まぶしい光を避ける(サングラスをかける)、ストレスをためすぎない、人込みを避ける、気分転換をする、日ごろから軽い運動を心がける、規則正しい睡眠をとる、食べ物やお酒に配慮する、などです。

季節の変わり目や雨の日は無理をしない🎵っと

すみやかに受診をしたほうが良い頭痛

 小児・高齢の方、妊娠・出産の前後、突然の強い頭痛、発熱、意識がはっきりしない、目のかすみやちらつき、嘔吐を伴う、ケガをした後の頭痛、痛みがだんだん強くなる、などいつもと違う頭痛のときは危険な頭痛の場合がありますので速やかに受診をしてください。

 また、3か月を超えて定期的に痛み止めを服用している場合は痛み止めの使い過ぎになる可能性があるため早めにかかりつけ医に相談しましょう。